メヒコの空港

オアハカの空港は、どうやら建設途中のようだった。そんなに大きくないというのもあるけど、入国審査のところも、なんだかゆるい様子。というか、不思議なんである。だいたい、入国審査というと、対面式でででーんと眼前に立ちはだかる関門、という感じがするのだけれど、オアハカのそれはひと味違った。

飛行機から降りた人たち全員がとりあえず1列に並び、その列のまま入国審査を通過していくという感じ。（ちょうど、高速道路の料金所のようなイメージ。）まぁ、空港が建設中（リニューアル中??）なので、仮っぽい感じはものすごくしたけれど、それにしても簡易な感じがすごかった。

メヒコの空港では、税関を通り抜けるときに最後ボタンを押す仕組みになっている。ボタンを押して緑ならそのまま通過できて、赤なら荷物の検査を受けるというものである。聞くところによると、完全にランダムにその色は決まるらしく、ほぼ「緑」が出ているようだ。なので、今回も「ボタンを押して」と言われて、「はいよっ!!」てなもんで、軽く押したら、無情にも点滅したのは「赤」。

ということで、持っていた荷物全てを開ける羽目になった。その前に、成田空港で荷物が重いから詰め替えをしなければならなくて、液体っぽいものを無理やりバックパックに詰め直していたのだが、よりによってそのバックパックを開ける羽目になるとは。

スーツケースを開けると、まず出てきたのが天才バカボンのパッケージの豆。友だちが持たせてくれたものである。そのバカボンのパパの絵を見て係の人が何やら談笑している。そして、バックパックからは渋い字で「関西」と書かれたお好み焼きソースがこぼれだし、「日本のソースでございます」と言い訳にも聞こえそうな口調で説明をし、さらにパウチ状になった料理酒が転がり落ちてきた。

「なにこれ??クッキー??」

と聞かれたので、「うん、そう。日本のクッキー」と変な笑みを浮かべながら答え、あける箱、あける袋から変なものが出てくるので、係の人もコメントに困りながら、見守ってくれている様子だった。汗が噴き出す思いだった。

それを経て、ようやくメヒコに入国……!!!成田では雪が降っていたのでダウンジャケットを着ていたのだが、ゲートを出た瞬間、私は完全に着すぎの着ぶくれ野郎と化していた。