Mago


今日は、久しぶりに打ちのめされた感じがする。ただ単に、「やっちまったーーー!!」という部類のものではなく、完全に自分の実力不足と経験不足が招いた打ちのめされ感。

私はまだまだ入ったばかりのいわばひよっこで、私の戦力はさほど期待されるものではない。にもかかわらず、がんばろうとしすぎた。そう、身の程知らずにも、である。何にでも、作戦と対策があるにもかかわらず、「しなければ」が先行してしまって、作戦を練るのをすっ飛ばしたのだ。丸腰で挑んで、最後まで考えを伝える前に、ぴしゃっとされて終了。ちーん。

これは、これはこれは、誠に悔しい。最後まで説明できなかった悔しさと、語学力の足りなさに対する悔しさ、そして、なにより、何とかなるやろうという甘さ、自分への過信が招いた結果だということで、そういう調子に乗っている自分がむかついた。

誰でもそうかもしれないけど、本当に失敗から学ぶことが多い。あああ、悔しいなぁ。本当に悔しい。

そういうわけで、「今日はまったくあかん。」というわけで、気晴らしに教会でしばし座ってみたり、やっぱり、コーヒー屋に足が向くわけです。コーヒーは、やさしい。

体調がすぐれないときは、さすがのコーヒーも癒してくれないけど、こころが悲しいときは十分に効く。ああ、おいしいなぁ。いろいろなコーヒー屋があるらしいからいろいろ足を運んでみようと思っているのに、すでにこのコーヒー屋の居心地が良すぎて3回目。ここのコーヒーは、濃くてとてもおいしい。一口飲んで、ふうーと、深呼吸すると、ちょっと回復。

よっしゃー、ガリ勉じゃーー!!と勉強を始めようとしたその時、名前を呼ばれたので顔を上げると、いつかカフェで会った仕事の先輩の友だちの知り合いのおじいちゃんだった。(おっちゃん、と言うた方がええんかなぁ。)

彼は、フランス語のプライベートレッスンをしているハビエルという先生で、「元気にしていたかい??」と声をかけてくれたのだった。それから他愛もない話をしていると、突然、

「両手のひらをみせてごらん。私は魔法使い(el mago)なんだ」

といって、私の指を何やら独特の方法で数えだした。そして、

「君は、日曜日に●●に行くでしょう??」

と言ってきて、

「なっっ!!!なぜそれを!!!!」

と驚くと、続けて、「誰と行く」とか「その人たちの風貌」「人数」などを見事に言い当てた。本気で驚いて、「なんでそんなことがわかるの?!種明かしは?!」と必死で問いただしたけど、

「さあね。オアハカは狭いからね。」

といっただけで詳細は教えてもらえなかった。さすがに先生だけあって、スペイン語も教えるのが上手だ。話しながら、わかりやすい言葉を選んで教えてくれる。やっぱり、人に教えるときは、その人の気持ちになるのが一番わかりやすいのかなあ。なんか、日本語じゃないのにすとんと入ってくる感じ。優しさと辛抱強さ、これは「教える」という行為の中で大事な要素なのかもしれない。最近自分の気持ちがぎすぎすしていたのは、それを忘れかけていたからかもしれない。そういう意味でも、ハビエル先生は本当にある意味『魔法使い』なのかもしれない。

ああ~、今日はあかんわ、と早速へたれな自分と対面したけど、今日のところは魔法使いの出現と同僚の優しさにより、なんか助けられた。Tomorrow is another day.明日は明日の風が吹く。でしょう!!!

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