イエルベエルアグア


やっぱり絶景が好きだ、と思った日曜日。

久しぶりに土曜日と日曜日の両方が休みったので、土曜日に寝だめて日曜日は少し遠出をしてきた。

オアハカしないからバスとドナドナみたいな荷台付きの車を乗りついで行ってきたのはHierve el agua(イエルベエルアグア)。石灰岩の滝やらプールやらがあるという、いわゆる絶景ポイント。鍾乳洞とか洞窟などが好きな私はずっと気になっていたのだがなかなか足を運ぶことができなかったところだ。

行き方は「ミトラ」でコレクティーボに乗り換える、ということしか聞いていなかった。私一人ではないし、まぁ、行ったら誰かに聞けばいいやと思ったのだ。アバストス市場の近くの2等バス乗り場からミトラ行きのバスへ乗車。日曜日は、トラコルーラという街でティアンギス(青空市)が開催されている影響でバスは結構な人。

「始発から乗ってよかったな」、と思いながら、身動きすると外れそうなぐらぐらの椅子にちょこんと座り、窓を開けるとバスの屋根に残っていたらしい昨夜の雨がじょぼじょぼじょぼと車内に降りこんできた。あわてて窓を閉めようとするもかたくて中途半端にしかしまらない。そういうことにはいちいちわーきゃー言っても仕方がないので、今度は力を込めて静かにできるだけ窓を閉めた。

ミトラ近くになると、バスに乗っていた運賃回収のお兄さん(彼らのポジションがいまいちわからないので、私は彼らのことを弟子(運転手の)と呼んでいる。)が

「おまえら、イエルベエルアグアに行くのか??」

と聞いてきた。何も言ってないのに、なんと勘のいい人だろう、と思いながら「そうやで~」と言うと、ミトラからの行き方を教えてもらった。

ミトラに到着すると、紺と黄色の荷台付きの車がいて、それがイエルベエルアグア行きだという。最初は前に乗り込んでいたのだが、うしろ(屋根といすがついた荷台)にも乗れるということで、乗り換えた。日本ではなかなか荷台に乗ってということができないのでついついドナドナ気分を味わってみたくなるというものだ。

途中、通行料だ、と10ペソ払い、それがイエルベエルアグアの入場料かと思いきや、また別途25ペソを支払わなければならなかったので、なんか、小分けにとられるなぁ、と思いながら支払った。
しかし!!

イエルベエルアグア、すごい。またもや、あほみたいな感想だが「すごい」んである。もちろん、絶景具合もすごいのだけれど、観光地で子どももたくさん訪れるであろうに一切柵がないんである。これには、驚いた。



プールみたいになっているところもあって、そこではばしゃばしゃと人が泳いでいた。温泉のようと聞いていたけど水温は低く、はだしになって足をつけるくらいがちょうどよかった。秋芳洞の百枚皿のようになっているところもあってそのふちを歩いて散策した。みんな思い思いに写真を撮っているけど、そのすぐ後ろは崖である。それなのにうふふと楽しそうに写真を撮っている。

「そんなふちに行ったら危ないわよ!!」

と注意してきたおばちゃんも、結構ずっとふちにいて写真を撮りまくっていた。人間、絶景に弱いのか、スリルに心奪われるのか、ふち、大人気。

こんなにも滑りやすい場所なのに立て看板の一つもなく、目の前に広がるのは重なった山々。ちょうど今は雨期なので、山は緑に覆われていてそれが本当にきれいだった。ずっと眺めていられそうな、そんな絶景がただただ広がっていて、なんて贅沢なんだ、と思った。


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