バランス

私の仕事はいわゆるサービス業なので、基本的ににやにや、いや、にこにこしている。(事実にやにやもしている。)そして、日本人だからなのか、自分の持ち合わせた性質なのか仕事の時はきっちりとしている。無駄なものは捨てるし、時間にも正確だ。

その反動か、私生活がひどい。

本当にひどいと自分でも思う。電話の充電はないし、メッセージなどの返信もとにかく遅い。そして、せっかく誘ってもらってもちゃんと約束をしないうちにその日を迎えてしまうので、なんか結局参加しそびれることも多い。日中人とかかわるからこそ、夕方以降は人から離れて一人僧侶のようにひっそり過ごしたいと本能的に思っているのかもしれない。だからそういう行動になっているのだろう。

日本から戻ってきて、最初の何週間かは「時差ぼけを戻すために」と思ってそうしていたが、1ヶ月が経ち、それでも一人で過ごす日々を続けている自分を見て、あ、これは時差ぼけ云々ではなく私自身がそうしているのだと気がついた。人と会って話して、スペイン語の練習もしなければと思っているのに、その軌道に自分を乗せることができない。ひと言「怠惰」と言ってしまえばそれまでなのだが。

そんな中、先日誕生日をむかえた。誕生日はやっぱりいいものだと思う。自分が生まれためでたい日だし、しばらく連絡を取り合っていなかった友だちと連絡を取り合うきっかけになったりするからだ。その中に、オーストラリアを旅していた時に出会ったドイツの女の子がいる。ちょうど同い年で、ホステルの同じ部屋に泊まったのがその出会いだ。

彼女とはかれこれ10年くらいの付き合いになる。その間、一緒に時間を過ごしたのなんてトータルして2~3か月に満たないと思う。(旅先で出会った友だちの割には過ごした時間も長めかな??)2004年に出会い、その後メールや手紙で交流を続けていた。当時はSNSもなかったし、今も彼女はネットをあまりしない人なのでSNSは使っていないので、相変わらずメールまたは手紙の付き合いだ。お互い忙しいときもあるので、連絡が途絶えがちになるときもあるけど離れていてもお互いの様子を気にしていて、人生において新しいスタートを切った時などは「よかったなぁ~!!」とか「がんばろうな~!!」と見守りあえるいい友だちだ。そういう友だちに出会えているのは、旅の賜物というか、私の人生の中での大きな財産だと思う。

彼女もまた、昨年転職をし新しい仕事が忙しくて仕事と私生活のバランスを取るのが難しかったけど、最近はうまく両方楽しむようにしていると言っていた。同世代というのもあるだろうが、メールの内容や考え方はうなずくところも多く、はっとさせられることも多い。

誰かと居る時間と自分だけの時間のバランス。

……家族を持っていたりするとそんなことも言ってられないのだろうから、独り者の贅沢な悩み、あるいは戯言なのかもしれない。でもやっぱりそれをうまくいい割合で過ごせたらいいなぁ、と思う。これが楽だ、でもこれじゃだめだ、そんな悩みは尽きない。


コメント