すっかり更新するペースが鈍っているmexico no kurashi。メヒコの暮らし、驚きに満ちまくっているはずなのに私の感度が鈍ってきているのか、それともメヒコに同化して「こんなもんやろ」と許容範囲が広がったのか……。たぶんその両方が当てはまると思われる。
そんなまどろっこしいことをしなくても、デビットカードで支払わせてはくれないか……。お金はあります!と叫びたい。
まさか自分が「お金はあります!」と叫びたい気持ちになるときが来るとは思っていなかった。オーストラリアに1年間住んでいた時のこと、私は半年間の州内電車乗り放題のチケットをかって持っていたので、休みのたびに十数時間をかけて電車で旅をすると言うことをよくしていた。ブリスベンという街からシドニーまで17時間の電車の旅、と言った具合である。そのとき友だちだった同い年の男の子にもそれを進めたのだが、片道で彼は電車ののろさと寒さなどなどに「ひいいい」となってしまい、「帰りは飛行機で飛んで帰ることにした」と言われた。「えー、もったいない。」と言うと言われたのが、「お金はあります!」だったのだ。人の価値観は多様やからな、と思った覚えがある。そして今、状況と国は違えど私自身が「お金はあります!」とメヒコ人相手に叫びたくなっているのである。
話がそれたが、そんな謎の手続きをするために膨大な時間を使っているなんて、なんだかばかばかしい。でもこのばかばかしい謎のステップを踏むことこそが今は(というか、メヒコでは)大事なのだ(そして、他に道はない。)、と自分に言い聞かせて住所証明パスポートを握りしめて再び銀行に向かうことにした。
住所証明については、自分が今住んでいる住所を提出する必要があるのだが、水料金、電気料金、電話料金の請求書などがそれに当てはまる。宛名が自分のものでなくても大丈夫なのだそう。その辺は非常にゆるい。メヒコではこの住所証明の提出を求められることがとても多い。おかげでスペイン語を覚えた。ちなみに、"comprobante de domicilio(コンプロバンテデドミシリオ)"である。
書類を提出して、必要事項を応えて待つこと数十分。その間、「セニョリータ、久しぶり!」と銀行員の女の人によってくるお客さん、「私、どこで支払えばいいのん?」と質問しにやってくるお客さん、そして私のケースがまだ終わっていないのにその対応を普通にしている銀行のお姉さん、「なぁなぁ~、ハンコってどこやったっけ~??」とやってくる他の行員、とまぁ、さまざまなことが起こって、それを静かに見守り、耐え、そう、私も誰かの対応中にお姉さんに話しかけたではないか、と言い聞かせ、うとうとしかけたころに差し出された大量の紙。
軽く20枚はあるであろうその紙には、クレジットカード発行に際しての注意事項が書かれてあると思われる。読むわけもなく、銀行のお姉さんもハイライターでマークをつけて「ここにサインして」と私に紙とペンを渡してくる。パスポートと同じサインなのだが、私のパスポートのサインは英語にしてあるので、普段そんなにサインを連続ですることがないので、最後の方は誰のサインかわからないようなことになってしまったけれど、ついに見えたゴール。
目の前にクレジットカードが差し出された。ああ、これが!!
しかし、気を抜いてはいけない。リミットがあるのだ、私のクレジットカードには。支払いを考えている金額をお姉さんに伝え、「デポジット」をカードに入れるという手続きが待っていた。これで、ついに!と思って最後にお姉さんに言われた一言が、
「これ、アクティベートしたら使えるから!」
あ、あくてぃべーと?!
activate(英)、activar(西)とは、使える状態にする、と言うことである。
今までさんざん待たされて、大量の紙にサインをさせられて、最後に言われた一言が「使えるようにしてね。」
アクティベートはお姉さんでは出来ないらしく、ATMにて行ってくれとのこと。前述のとおりその銀行のATMはすべて工事中に付きないので、アクティベートのために他の場所を探せとのこと。
ああ、メヒコよ。
この国に住むようになって、忍耐力がついた気がしていた。たいていのことは気長に待てるようになったと思っていたけど、この謎のシステム、謎のプロセス、いまだにわからないことがいっぱいだ。そして、こんな時には「Ni modo(しゃあないしゃあない)」の精神が全然通用しないのである。イエスと言ったらイエス、の日本式を貫いてくるのである。私の忍耐力は、まだ足りていないようだ。
アクティベートをしたその夜、ペンディングになっていてやきもきしていた買い物の支払いを無事に済ますことができた。
別に普段の生活で必要としていなかったクレジットカードをここまで苦労をしてまで作り、購入したかったもの、それは飛行機のチケットである。
というわけで、4月、バケーションで日本に帰ります!!前は年末年始に帰ったので、正月休みに入っていた人も多くたくさんの人に会えたのですが、今回は何にもない時期なのでどれくらいの人に会えるかわからないけど、予定の合う人は会えるのを楽しみにしています!
それでもなお、まだ「記録しておかなければ!!!」という出来事がたまにやってくる。
先日、私はネットで支払わなければならない買い物をしようとしていた。そして、最後のお支払いのところで数日間に及ぶいらいらと戦わなければならないようになった。
私は一応メヒコの銀行の口座を持っていて、そこに給料の半分を振り込んでもらっている。(半分は手渡し。)銀行のカードはデビットカードにもなっていて、カードで支払いができるお店などでは使えることになっている。市場など、カード払いができないところも多く存在するのだが、反対に使える場所では、かなりの少額を銀行のカードで支払っている人なども結構良く見かけたりもする。何百円単位の買い物でのカード払いは日本では、デビットカードよりもプリペイドカードなどのほうが一般的な印象を持っているので、そういう場面でカードを使っている人を見るのは少し新鮮な気がする。
それはさておき、デビットカードのいいところはもちろん、即座決済、それに尽きる。借金なしの即引き落とし、気持ちがいい。そして変な利息がついたりするのではないかと言う不安にも悩まされずに済むのでデビットカードはありがたいシステムである。
しかし、である。このデビットカード、どこでも使えるのかと言うとそういうわけでもないのである。ネットでの買い物がその一つだ。デビットカードで決済をしてくれるところもあるのだが、「クレジットカードのみ」という場合も存在する。
そして私はメヒコのクレジットカードを持っていない。うう。
ということで、クレジットカードを作ることにした。(別にいらんのに……。)
銀行に話を聞きに行くと、長蛇の列。銀行が改装中でATMがないので、全員が窓口の方に並んでいるらしかった。いつも不思議に思うのが、メヒコの銀行は、窓口ではなくてとりあえず質問したい場合どこに、あるいは誰に聞けばいいのか全くわからない。係員がいてくれる銀行もあるが、私のいくところは誰も対応してくれないのである。だから、いつも誰かに対応中の机に座っているお姉さんに、
「あのう、質問があるんですが」
と言うふうに聞きに行くことになる。なんか邪魔をするみたいでいいのか悪いのかわからないのだけれど、永遠に待つこともできないのでそうやって声をかける。クレジットカードが必要な経緯を説明すると、手があいたすきに私の口座の番号から口座のヒストリーと残高を調べてくれる。そして、パスポートと住所の証明書があればクレジットカードを発行してくれると言われた。
パスポートは常に持ち歩いていないので、後日来ます、と言う約束をして1回目の銀行訪問は終了。
翌日、他の取引が今までない銀行でいきなりクレジットカードを作れるかどうか職場の上司のつてで聞いてもらったが、私が外国人なんで無理だということ。携帯のアプリから口座の情報を見ることができるので見ていると、「クレジットカード」の文字を発見したので、どういうことが書いてあるのかを聞いてみると「クレジットカードを作った場合XXXXペソの買い物までOK」、つまり、限度額のことがかかれてあるとのこと。
その限度額ときたら、支払したい金額にはるか及ばず、じゃあ、クレジットカード作ってもあかんやん、支払いの場面で引っかかるやん、と新たな疑問が浮かび上がった。デビットカードで支払いができるのなら、支払いたい金額の残高があるというのに。ほしくもないクレジットカード(しかも、聞けば年会費が結構かかるとのこと。)を作る方法を短い休み時間の間に調べ、その挙句「限度額がめっちゃ低い」というあほみたいな状況。
私は一体何のためにクレジットカードを作ることに奔走しているのか。
しかし、上司は提案する。
「クレジットカードを作ってクレジットカードにデポジットをいれたらいいやん」
と。
クレジットカードにデビットカードからデポジット?!デポジット(deposit); 保証金。預かり金。(コトバンクより。)
そんなまどろっこしいことをしなくても、デビットカードで支払わせてはくれないか……。お金はあります!と叫びたい。
まさか自分が「お金はあります!」と叫びたい気持ちになるときが来るとは思っていなかった。オーストラリアに1年間住んでいた時のこと、私は半年間の州内電車乗り放題のチケットをかって持っていたので、休みのたびに十数時間をかけて電車で旅をすると言うことをよくしていた。ブリスベンという街からシドニーまで17時間の電車の旅、と言った具合である。そのとき友だちだった同い年の男の子にもそれを進めたのだが、片道で彼は電車ののろさと寒さなどなどに「ひいいい」となってしまい、「帰りは飛行機で飛んで帰ることにした」と言われた。「えー、もったいない。」と言うと言われたのが、「お金はあります!」だったのだ。人の価値観は多様やからな、と思った覚えがある。そして今、状況と国は違えど私自身が「お金はあります!」とメヒコ人相手に叫びたくなっているのである。
話がそれたが、そんな謎の手続きをするために膨大な時間を使っているなんて、なんだかばかばかしい。でもこのばかばかしい謎のステップを踏むことこそが今は(というか、メヒコでは)大事なのだ(そして、他に道はない。)、と自分に言い聞かせて住所証明パスポートを握りしめて再び銀行に向かうことにした。
住所証明については、自分が今住んでいる住所を提出する必要があるのだが、水料金、電気料金、電話料金の請求書などがそれに当てはまる。宛名が自分のものでなくても大丈夫なのだそう。その辺は非常にゆるい。メヒコではこの住所証明の提出を求められることがとても多い。おかげでスペイン語を覚えた。ちなみに、"comprobante de domicilio(コンプロバンテデドミシリオ)"である。
書類を提出して、必要事項を応えて待つこと数十分。その間、「セニョリータ、久しぶり!」と銀行員の女の人によってくるお客さん、「私、どこで支払えばいいのん?」と質問しにやってくるお客さん、そして私のケースがまだ終わっていないのにその対応を普通にしている銀行のお姉さん、「なぁなぁ~、ハンコってどこやったっけ~??」とやってくる他の行員、とまぁ、さまざまなことが起こって、それを静かに見守り、耐え、そう、私も誰かの対応中にお姉さんに話しかけたではないか、と言い聞かせ、うとうとしかけたころに差し出された大量の紙。
軽く20枚はあるであろうその紙には、クレジットカード発行に際しての注意事項が書かれてあると思われる。読むわけもなく、銀行のお姉さんもハイライターでマークをつけて「ここにサインして」と私に紙とペンを渡してくる。パスポートと同じサインなのだが、私のパスポートのサインは英語にしてあるので、普段そんなにサインを連続ですることがないので、最後の方は誰のサインかわからないようなことになってしまったけれど、ついに見えたゴール。
目の前にクレジットカードが差し出された。ああ、これが!!
しかし、気を抜いてはいけない。リミットがあるのだ、私のクレジットカードには。支払いを考えている金額をお姉さんに伝え、「デポジット」をカードに入れるという手続きが待っていた。これで、ついに!と思って最後にお姉さんに言われた一言が、
「これ、アクティベートしたら使えるから!」
あ、あくてぃべーと?!
activate(英)、activar(西)とは、使える状態にする、と言うことである。
今までさんざん待たされて、大量の紙にサインをさせられて、最後に言われた一言が「使えるようにしてね。」
アクティベートはお姉さんでは出来ないらしく、ATMにて行ってくれとのこと。前述のとおりその銀行のATMはすべて工事中に付きないので、アクティベートのために他の場所を探せとのこと。
ああ、メヒコよ。
この国に住むようになって、忍耐力がついた気がしていた。たいていのことは気長に待てるようになったと思っていたけど、この謎のシステム、謎のプロセス、いまだにわからないことがいっぱいだ。そして、こんな時には「Ni modo(しゃあないしゃあない)」の精神が全然通用しないのである。イエスと言ったらイエス、の日本式を貫いてくるのである。私の忍耐力は、まだ足りていないようだ。
アクティベートをしたその夜、ペンディングになっていてやきもきしていた買い物の支払いを無事に済ますことができた。
別に普段の生活で必要としていなかったクレジットカードをここまで苦労をしてまで作り、購入したかったもの、それは飛行機のチケットである。
というわけで、4月、バケーションで日本に帰ります!!前は年末年始に帰ったので、正月休みに入っていた人も多くたくさんの人に会えたのですが、今回は何にもない時期なのでどれくらいの人に会えるかわからないけど、予定の合う人は会えるのを楽しみにしています!
私も、銀行やIMSSへ行くたび、ずれた対応をくらって、腹を立てたり、首をかしげたりしています。そろそろ、ふくろうのように、首が一回転しそう。まったく、ひどいですよね~。
返信削除今回も面白く読ませていただきました。
>>Pataganianさん
削除なんか、不思議ですよね。笑
ある程度までは何も思わないのですが、過ぎるとあああとなります。
まだまだ修行が足りません。笑