死者の日2017、一足おくれてお墓に行くの巻き。

死者の日、昨年まではお墓を巡るツアーの引率に参加していたが、今年はその必要が無くなったので、さぁ、どう過ごそうかと楽しみにしていたののに、死者の日に熱を出して寝込んだのは先日の投稿で述べた通り。お墓も死者が戻ってくるという一番華やかになる日には結局行かずじまい。しかし、死者が帰った翌日の早朝のお墓に足を運んできた。熱は下がっていたけど本調子、というわけではなく、とりあえず墓へ行くのだ、私は、という妙な足取りで向かったのだった。

派手なお祭り騒ぎには参加しなかったけど、人も死者ものいないひっそりとしたお墓で感じたものとは、家族のぬくもりだったことを先に言っておきたい。お墓に死者を弔いに来たというよりは、むしろもう一度一緒に過ごす時間を楽しんだような余韻がそこにはあったように感じた。それはメヒコの空があまりにも青くて、お墓と呼ぶには明るすぎるのが原因かもしれない。


実はお墓がどこにあったのかよく知らなかった。こういうのを目印にたどっていった。




夜通し焚かれていたろうそくがまだ少し残っていた。


子どもがご先祖様に向けて書いた手紙。「Feliz día de muertos(死者の日おめでとう!)」って、日本のお盆と同じような行事とはいえ、日本では「お盆おめでとう」とは言わないよなぁ、と改めて文化の違いを感じた。

子どものお墓なのか泣いた天使の像が。でも、はっきりと色塗りされていて、ゆるい表情に仕立て上げられているから、突っ込んでいいのか困惑する。






墓場でご先祖と飲むビールはおいしいのだろうか。 量から推測するにおいしいらしい。



オレンジのセンパスチル(マリーゴールド)が多い中、 こちらの赤い花も抜群の存在感。クレスタデガジョという名前で、意味は鶏のとさか。

日本のお墓と大きく異なり目を引くのが「ベンチ」。今回のお墓訪問は夜ではなくて日が昇っているときだったから、こういうディテールに目がいったのかもしれない。はなからお墓で長時間の滞在を見越して、お墓の一部として作られていることが多いようだ。




これは後からベンチを持ってきたタイプ。盗まれないようにひもが木にくくりつけてあるところがメヒコっぽい。(と私は思う。)




完全に一部と化している。

私が行ったときは掃除のおじさんがいたくらいで、本当に静かな墓だった。死者の日は、街中で行われているのを見る限りは仮装とかパレードとか観光客や若い人たちが派手に騒いだりハロウィンとの融合が進んでいる騒がしいお祭りになってきている印象を受けるけど、多分本来はファミリアル(家族ぐるみの)で穏やかに行われるものなんだろうな、と思った。


帰るころに一台の車がキーっと止まって、バタンとドアを閉めて出てきたのはおばちゃんの2人組。期間中来れなかったのだろうか、せめて朝一でやって来てたのだろうか。ありったけの花を肩に担いでなんかほほえましい光景だった。

私史上最も朝早い墓参りだった。ええもんを見せてもらった。

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