コーヒーの香り


私はコーヒーが好きだ。オアハカにもたくさんのコーヒー屋さんがある。結局行くところはいつも同じところばっかりになってしまい、新規開拓は進まない。

カフェでのんびりするのも好きだけど、家でもドリップして飲むのも好きだ。店で豆をひいてくれるので持って帰るときは袋がほのかにあたたかく、とてもいい香りがする。

私の部屋はワンルームなのでコーヒーの袋を置きっぱなしにして出かけて帰ってくるとコーヒーのにおいがほんのりだけど充満している。先日そのにおいをかいで、小学生の時に住んでいた社宅に学校から帰るとよくコーヒーのにおいがしていたことを思い出した。

お母さんが近所のおばちゃんと一緒にお茶をしていたのである。机の上には駄菓子とは違う「ちょっとええ」めのお菓子。それをいくつかつまんで遊びに出かけていた映像と思い出が急によみがえってきた。

家でコーヒーがよく飲まれている家庭だったので、その数年後には自分もコーヒーを飲み始めることになり、今に至る。そこは至極納得のいく過程なのだがこのノスタルジックな思い出とともに考えたのは自分の年齢のことである。

母が私の今の年齢の時、なんと私はすでに12歳だったのだ。今の自分に12歳の子どもがいるなんて想像がつかな過ぎて、ただただ驚くしかできない。もしかしたら両親たちもわけがわからずに必死で子育てをしていたのかなぁ、とふと思った。そしていまだに心配をかけているなぁ、と思ったら無性に感謝の気持ちが沸き上がってきた。

備忘録までに。

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